遺言書の利点・欠点
さて今日は、遺言書を書くという行為に利点・欠点があるのかどうかをお話したいと思います。
実は、長沼税務会計事務所では、全ての方に「遺言書を書きましょう」と、積極的にお話はしていないのです。
「遺言書を書いておけば安心」とアバウトに考えられている方が多いと思うのですが、世の中、そこまで単純ではないと言いますか・・・。
でも利点は色々あります。
相続人ではない人に相続をしたいとか、身寄りがない場合などは、自分の意思をきちんと遺言書に書かなければなりませんし、財産が土地などで分割が難しいケースなどの時は、「この土地をどのように相続させたいか」を記す必要があります。
自分の死後の事、相続の意思を伝える公的な文書という意味では、やはり遺言書は効力が強いので、利点がたくさんあるといえるでしょう。
欠点は、遺言書の内容が逆に、相続人同士の揉め事に繋がってしまうケースがあるという事です。
相続が争族にならないようにするためには、相続分配に関して、しっかり法律的な部分などを学び、法律や相続の専門家に相談して内容を考えて書くべきです。
でも結構、そのときの気分とか、自分の意思だけで書いてしまうという方が多く、実際その時が来て内容を見てみると、「それは無茶でしょう」「私の分は?」というようなケースがあります。
やはり相続人には「遺留分」を要求する権利がありますので、遺言書を書くのであれば、この遺留分については、しっかりと考えて書くべきです。
また、財産が土地などで分割が難しいケースでは、土地を渡す者以外の相続人への配慮が必要です。
そうしないと「言っている事は分かるけど、土地にはすごい価値があるのだから納得がいかない」という話になり、揉めてしまう可能性が考えられます。